数学を小並例で解説するブログ

わかりづらい大学数学などの概念を、小学生並みの例でわかりやすく説明していこうと思います。

「像(Image) 」よくわからないやつらPart 1

今回とりあつかうのは像(image)です。最初に出てくるのは、線形代数で線形写像について習うときだと思います。

像とは?

まずは定義の紹介です。

定義(像) 写像 f:V \rightarrow Wにたいして Wの部分集合 \{ f(v) \in W | v \in V \}  fと呼び {\rm Im}(f)で表す。

よく見るイメージ図です。 f:id:bossdb66:20180529012625p:plain

この図、写像を扱うときよく出てくる図です。でもこれ、正直わかりにくい...。

まず、 fは集合 Vから集合 Wへの写像、つまり対応づけを定めています。このとき Vの元に対してはすべて何かしらの Wの元が対応付けられています。

いいかえると、すべての v \in Vに対して f(v)=w \in Wがあります。(当たり前じゃん、て思う方は大丈夫です。)これは写像の定義ですね。

ですが、 w \in Wに対して、対応づけられているような v \in V必ず存在するとは限りません。つまり、 w=f(v)をみたす v \in Vが存在しないような w \in Wが上の図の {\rm Im}(f)の外側の白い部分に入っているわけです。

....

え、わかりにくい?

それでは、例を取って紹介します。集合VとしてA,B,C,D,Eという5人の人間を集めたものを考えます。 V=\{A,B,C,D,E \}

この5人につぎの食べ物集合Wから好きな食べ物を一つ選んでもらいます。 W=\{  ハンバーグ,エビフライ, パスタ, 寿司, ピザ\}

こういう状況です。

f:id:bossdb66:20180531154242p:plain

この対応を写像 fと名付けましょう。人(A,B,C,D,E)から好きな食べ物を対応させる写像です。すると、このとき誰にも選ばれていない食べ物があります。これが最初の図で示すところの「白」の部分にあたります。

そして、選ばれた食べ物{エビフライ、寿司、ピザ}がfの像にあたります。つまり

 {\rm Im}(f)=\{ エビフライ,寿司,ピザ \}

となります。

はい、

小学生並みの例でしたが、これで、イメージ(像)の定義の意味は分かっていただけたのではないでしょうか。最初はとっつきにくい概念ですが、意外にわかってくるものです。

次の記事では、もう少し数学的な例も紹介していきたいと思います。それでは。